NCBレポート(第259巻) 2011年4月号 【立読み】

巻頭特集より抜粋 ~2011年4月号 第259巻~

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米クレジットカード復活

☆☆☆ 逆巻く荒波を乗り切ったチャレンジャーたち ☆☆☆

Credit Card Revival

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日本カードビジネス研究会
代表 佐藤 元則

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「米クレジットカード会社のサバイバル戦略」というテーマで、劣悪な環境下で戦う米クレジットカード業界をNCBレポードで紹介したのは2009年12月だった。

2008年9月、世界を金融危機におとしいれたリーマンショックは、世界中のクレジットカード会社に大打撃をあたえた。特に震源地の米国では、大手といえども資金調達がままならないという機能不全の状態にまで追いこまれた。

2009年には崩壊したクレジットビジネスをどう立て直すか、1929年の世界恐慌を引き合いに、さまざまな議論がおこなわれた。

金融危機は消費者のクレジットカード利用を抑止し、取扱高が激減。前年対比10%以上も落込んだ。貸倒率は10%を越え、大手カード会社のなかには20%近くまで跳ねあがったところもあった。10%を超えると、ほとんどのカード会社で逆ざやになる。

カード会社はさらなる貸倒れの増加に備え、初期与信を厳格化するとともに、既存客の限度枠を引締めた。その結果、リボルビング残高は減少。金利収入は激減した。

未曾有の金融危機のまっただなか、2009年5月に米国ではクレジットカード法2009が制定された。手数料と金利が制限され、消費者への明確な情報開示が義務づけられたのだ。大学生へのカード勧誘にも制限された。弱り目に祟り目とはこのことであろう。

しかしその2009年、米大手カード会社は最悪の状況にもかかわらず、攻めに打ってでた。

あれから1年。米クレジットカード会社の2010年度決算報告が出揃った。各社が打ちだしたサバイバル戦略は、どのような成果をあげたのだろう。完全復活となったのか、あるいはいまだに苦闘しつづけているのだろうか。

チェイスのサバイバル戦略

●残高ランクはトップになったものの

2008年末のチェイスのクレジットカード残高は1,834億ドル。前年比22%と大きく伸ばし、全米クレジットカード残高ランクでバンクオブアメリカを抜いてトップに立った。

2008年のショッピング取扱高合計も3,410億ドルで1位だった。取扱高は前年も1位で前年対比8%増だから、残高が極端に伸びたことになる。

残高からあがる金利収入に加え、取扱高からはいる手数料収入で、全米トップの利益を計上するはずだった。

しかし、2008年第4四半期、チェイスのカードサービス部門の業績は収益こそ49億ドルで前期比26.3%増となったが、利益は3.71億ドルの赤字となった。

その要因は2008年9月に買収した貯蓄金融機関ワシントンミューチュアル(WAMU)にある。FDIC(米預金保険機構)が米国金融史上最悪の大手銀行倒産を防ぐため、チェイスに救済を求めたという経緯から買収したもの。

WAMU買収について「あとからわかったことではあるが、FDICがWAMUの買い手をさがしていたときに、唯一手をあげたのはチェイスだった」とダイモン会長兼CEOは語っている。

WAMUは破綻までの数年間、リテール強化策の柱として返済能力の低いサブプライムに力を注いでいた。

住宅では金融危機の発端となったサブプライムローンを拡大。クレジットカードでは2005年にサブプライムをターゲットに破綻寸前までいったプロビディアンを64.5億ドルの高額で買収。サブプライムカード残高を積みあげていたのである。

リーマンショックという未曾有の金融危機に加え、WAMUという腐敗寸前のポートフォリオをかかえたチェイス。かれらは、この難局をどう乗り切ったのだろうか。
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チェイス最大の課題

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